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秋に咲く梨の花・収穫後の小さい梨の実 [豆知識]

苗木畑の様子を見に行きましたら、小さな二つの梨の実が目に入りました

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夏に台風や虫害で葉がなくなってしまうと翌春に花を咲かす芽が動いてしまい、花が咲くことはよく見かけることです。今日気づいたのは、小さい実の顔が違っているということです。苗木の畑で、高接ぎ(接ぎ木)をちょこちょこやっていたため、品種が混ざってしまったようです。 落葉を人為的に行えば、品種の同定ができるかな? なんて思いました。人工授粉したら少し大きくなるのだろうか。

やってみなければわかりませんが、大きな実にはならないと思います。この芽は来春の花や葉を作る準備できていないようだからです。通常は7~8個の実と10枚程度の葉ができるはずですが、ご覧のように1個づつしかないんですね。来年、夏花に花粉交配をして大きくなるのか確認してみようと思います。

さて、なんで葉がなくなると花が咲くのでしょうか?夏から秋にかけて、光合成にて葉でつくられた物質の一部は来春の花芽を作るために使われます。冬の寒さにた

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えられるように作られる芽は「越冬芽」と呼ばれています。ナシの葉は光合成と同時に夜の長さを感じ、それに応じてアブシシン酸を芽に送ります。このアブシシン酸が芽で一定量になれば、冬の寒さに耐え、春の気温上昇で花を咲かせることができるようになります。

 アブシシン酸分解は春の目覚めの信号でもあります。冬の寒さにあたることにより、芽のアブシシン酸は分解されてゆきます。春の気温上昇のかなり前にアブシシン酸は分解されてしまい、樹は気温上昇だけで花を咲かせるタイミングを待っています。

 このアブシシン酸量が少なく、かつ気温の高い状況が、「葉が落ちてしまった秋のナシの樹」なのです。二つの条件をクリアーしてしまい花を咲かせ、小さい実を作ってしまったことになります。

 決して気温が暖かくなったから、樹が間違って花を咲かせたわけではないようです。

参考文献 「植物はすごい 七不思議編 田中修著」 

 


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