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花粉の低温発芽性って 大事だなあ [実験]

190411自然環境下の発芽率「編集」.png

ナシの人工授粉が今年も終わろうとしています

今年も3月下旬に気温が高く、開花が早かったのに、寒の戻りがあり、4月2日~4日にかけては、ナシの花粉発芽最低温度の15度を割り込む日が続きました。


因伯の果樹2018年11月号に掲載された記事「ニホンナシの結実安定に関する研究」(鳥取大学 竹村圭弘先生)を思い出し、読み返してみました。


先生は冒頭で、温暖化に伴い、ナシの開花期が前進化している一方で、開花期に雨天や低温になることで、十分な人工授粉ができない場合があること危惧されていました。


実際に私の産地においても、雨が続いた平成29年、気温は高いが全ての品種が一斉に開花してしまった平成30年、寒気が三回も出入りした平成31年と安定した人工授粉ができない年が増えています。

そんな中、竹村先生が研究されておられる研究の一つが、低温発芽性の高い花粉樹の選抜です。

私の周りでは中国輸入花粉、松島、ヤマナシ、馬次郎、新興などの花粉を利用する方が多いですので、これらのうち、松島、ヤマナシ、中国輸入花粉について低温発芽性を調べてみました。



これらの花粉を同じ寒天培地に着床し、A開葯機(25度の定温)とB屋外の日陰に設置し、4試料、3品種の花粉の発芽性をしらべてみました


試験をしてみると、ビックリです。かなり差が出ることに驚きます。今回の試験では雪花梨(中国産)が定温低温に弱いことが伺えました。また、松島もヤマナシも比較的低温でも発芽しやすいことがわかりました。また、全般的に、低温のほうが、花粉管が細く伸びる傾向があるようです。
竹村先生は低温発芽性が優れた品種として「土佐梨」「今村夏」「奈良吉野古木」をあげておられます。なんとか入手して、確実な花粉交配に活かしたいものです。
北関東の梨産地ではまだまだ花粉交配が続くと聞いています。気温が高く安定した日が続きますことをお祈りいたします


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北多摩の町火消し

新興も比較的低温での発芽がいいという話しを聞きました。ネパールはどうなんでしょう?
by 北多摩の町火消し (2019-04-11 06:30) 

Rama

北多摩の町火消し様 いつもお世話様です
そうですよね。ネパール梨のおひざもととしては、それもないといけませんね。
早速、昨日発芽状態を比較しました。花粉着床した寒天培地シャーレを日陰、日光下にて比較しましたところ、日光下では良い傾向がみられました。
当年のネパール生花粉はつくれませんので、本来の性質は来年、明確にしてゆきたいと思います。併せて新興についても調べられたらと思います。コメントありがとうございました
by Rama (2019-04-12 07:21) 

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