発芽試験をやってみよー「寒天培地の作り方」 [実験]
以前、年によって人工授粉による着果率が安定しない時期がありました。
原因を探ろうと平成15年 発芽試験を始めました。
発芽試験に大切な寒天培地。私の作り方を報告します。
用意するもの 写真の通りです
1,シャーレ~
私は使い捨てのプラスティック製を5年くらい使用します 組合で一度使用したものを再利用で5年くらい使います。傷がつきすぎたら捨てます。顕微鏡で観察がしにくくなるためです。滅菌にはこだわる必要がありません。
やはり、容器はシャーレが一番使いやすいです。重ねることができたり、顕微鏡で連続して観察する際、くるくる回転させながら効率的に観察できますから
2.はかり~ 1/2小さじ
砂糖の軽量に使います
以前は寒天の計量にも、はかりを使っていましたが、小さじ1/2をすり切りで計ると、100ccの精製水に対してちょうど良いです。計量時間も短縮できますし、いつも同じコンディションで培地を作ることができます。
これはアマゾンで1500円くらいで買いました。0.1gが計れるものが便利です。使い終わったら、奥さんのケーキ作りに使えますよ
3.粉末寒天~
この袋で4gです。はかりを使わなくても、紙の上に円形に広げ4等分すれば1gが計れます。とても4gは便利です。(最近では小分けになっていない商品が多いです。小さじ1/2を利用した方がらくちんです)
4.砂糖~
書物ではショトウと書いてありますが、普通の料理用砂糖(上白糖)で十分です。気が済まなかったらグラニュー糖くらい奮発してはいかがでしょう?
5.精製水~
これは一番重要です。書物には純水を使うとありますが、高いです。マツモトキヨシのような薬屋さんで売っています。 コンタクトレンズの洗浄用で500mlで100円くらいです
ちなみに水道水では発芽しません。井戸水も発芽しませんでした。純粋は入手しにくいので精製水をおすすめします
6.計量カップ(100cc以上)~
これも大雑把でも計れるものがあった方がいいです。寒天の硬度、含水量なども発芽に大きく関わると思っています。
7.1/2小さじ
寒天の計量に使用します
■培地の素の作り方
①粉末寒天 1g(1/2小さじ)
②純水または精製水 100cc
③上白糖(そうです、台所で一番使う砂糖です)~ 通常はショ糖5%と書いてあることが多いですが、私は100ccに対して8g程度入れています。経験上、この方が成績がよいです。上白糖にはショ糖以外の不純物が入っているそうですが発芽試験には問題出たことはないです。舐めるとかなり甘いです。梨の花の蜜くらい甘いです。
④ ①、②を鍋に一緒に入れ、よく溶かします。あまりぐつぐつやらない方がいいようです。 よく溶けたら砂糖を入れます。砂糖が溶けたら速やかに火を止めます。これで寒天培地の原料は完成です。
■いよいよ培地を作っていゆきます
シャーレに④の液体を5分目程度入れます
空のシャーレに液体を注ぎます。すべてを注がないで、少しシャーレに残すようにします。残ったものが鏡面になるように平らにして置きます。
手書きの図のイメージです。寒天を排出したシャーレを残して行きます。こうすることで寒天培地の厚さを均一化します。顕微鏡で観察する際、培地の厚さが均一だとピント合わせをしないで済むのです。一回一回合わせるのは面倒ですので、厚さについては工夫をしてみてください (2021.3.5追記)
同じようにして新しいシャーレに液体を注ぐ、残ったシャーレの液体を平らにして置くの繰り返しです。100ccの液体でシャーレ20枚程度を作ることができます。
注意:適当な量を残さないと右図のように鏡面に仕上がりません。
失敗したら、洗ってやり直せばいいだけです。水道の水で洗って、ティッシュで拭いてリベンジです。
下図は、うまくいった鏡面状の培地です(分かりやすいように楊枝で凸凹を見せています)
完成です。
なれれば準備して、完成するまで10分程度です。
できあがったシャーレは速やかに蓋を閉め、冷蔵庫に保存します。
カビが生えなければ5日程度利用可能です。大きなタッパにぬれタオルを入れて保存すれば、もう少し長く
保存することもできます。 以上。
詳しい作り方をありがとうございます 子供の自由研究で寒天培地を注文したつもりが、届いてみたらなんと容器のみ!慌てて作り方を検索し、参考にさせて頂きました 今冷蔵庫で冷やしています 本当に助かりました(^^)
by ゆみ (2015-08-07 22:18)