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ヒマラヤザクラ みっけた!! [エバグリーンNP]

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ヒマラヤザクラ みっけた!


ネパールの梨と同郷のヒマラヤザクラというひまらsy-2.jpg植物があります。

後半の花は中央が紅色でとても綺麗ですね


ソメイヨシノなどは春に咲くのに対して、このサクラは11月末から12月にかけて開花します。それなのに、11月まで落葉しません。ネパールの梨と一緒です(休眠しない品種 ネパールの梨)



ある梨の先生から、エバグリーンの桜があることを聞いて以来、一度観察したいなと思っていたところ、近くにあることがわかりました。


時は11月、今から通えば、開花の様子を観察できるかなと思い、11月4日 雨上がりの早朝に訪問しました。


ヒマラヤザクラの観察は何のため?

気温の上昇により、梨の世界では大きな問題が出ています。梨は冬に一定期間、低温に逢わないと花を咲かせることができません。近年の温暖化で冬の気温が高くなり、冬季に一定時間の低温を満たせなくなった地域が出始めています。花が咲かないということは実がならないことを意味します。熱帯では梨の栽培ができません。それでも生産を続ける台湾ではこの条件を満たした梨の枝を輸入し、接ぎ木して梨を生産しています(休眠時間を日本で経たものです )。日本でも梨が作れなくなることが懸念されているのです。

 梨の研究者の方々は、このヒマラヤザクラのように低温を要求しない性質の梨を探し、その性質を引き継いだ品種の育成を研究されています。 私のような一農業者がお手伝いできるはずなどないとは思うのですが、ヒマラヤザクラの性質・特徴を観察することで、近縁種を探せないかな? などと思っているのです。 私たちも梨の種をまき、苗木を作っています。更に、ネパール出生の品種を有しています。先祖の遺伝子がいつか顔を出さないかな?などと夢見ているのです。


落葉直後の状況(2017.11.4)

sml171103-071004_R.jpgsml171103-085222_R.jpg住宅街の中にある地域センターの入り口に、力強く植栽されたヒマラヤザクラは、落葉が進んでいました。少し葉が残っていたので、紅葉の色や、葉の形を観察することができました。


ソメイヨシノに比べて、一年枝は弱い感じを受けました。それに対して幹の感触は「ごつい」印象を受けました


同じ日のソメイヨシノ(右)とヒマラヤザクラ(左)を比べてみました。今年はソメイヨシノの紅葉も例年に比べ速いようですが、ヒマラヤザクラは断然早いですね。ご覧のようにヒマラヤは黄色に、ソメイヨシノは赤色に紅葉しています

12月中旬には淡いピンク色の花を咲かせるとのことです。


もうすでに花芽が膨らみ、中の緑色がみえてきています。花芽はソメイヨシノより小さい感じでしょうか

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開花はじまり(2017.11.18)


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11月18日 再度 ヒマラヤザクラを訪ねました。 前回花芽が少し、膨らんで、中から緑色が見えてきていましたので、かなり進んでいると想像はしていましたが、すでに開花しているとは驚きでした。

遠景でみても、ご覧の通り、季節は一つ進んだ感じです。

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写真の真ん中、クローズアップでは、2017年夏の葉・秋の花・新しい葉 が混在しています。

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同じバラ科の、梨では冬を越さないと花を咲かせません。同じ科の中でもこんなに性格が異なるなんて植物の生命力を感じるのです。 

 

満開の状況 (2017.12.4)

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一気に開花しました。葉が残っているのは、建物の影になっているところのようです。正面写真でみて、手前が北、奥の建物が南になります。北側の葉に遮られて暖かいのかもしれません。葉にも寿命がありますが、今の時点で展葉しているところをみると、この部分の葉が若いとは考えにくいです。


 木の枝には、しきりに鳥が飛んできて動き回っています。花びらでも食べに来ているのでしょうか?(梨の花を鳥が食べるところは毎年見かけています)













































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花の終盤の状況 (2017.12.10)

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 全景をみるとすっかり展葉が進み、緑の部分が目立つようになりました。どうやら満開は過ぎてしまったようです。 前回、12月4日には足元に花びらは殆ど落ちていませんでしたが、今回は随分落ちています。


サクラの花の赤い色

花びらの中央の真紅の部分と外側の薄紅のグラデーションがとても綺麗です。さくら茶にしたらさぞかし綺麗だろうなと想像してしまいます。


でも、この綺麗なグラデーションがみえるようになると、サクラの花も終わりに近いそうです。ウェザーニューズの記事にそんなことが書いてあります。参考:ウェザーニュースここが赤くなったら花が散るサイン!

でも、何故色が変化するのでしょうか? それは、開花時から時間がたつと、赤い色素(アントシアニン)の量が増えるのだそうです。何故アントシアニンが増えるのかは調査中です。よく見ると雄蕊の花糸もはっきりと色が変わるのですね。(参考:日本植物学会 みんなのひろば サクラの花の二つの色)

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葉の出方がソメイヨシノとは違う

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葉の出方が、ホトケノザのように二段になっています。ほかの桜もこんなだっただろうか?
葉芽と花芽がハッキリと別れているようです。梨は混合芽といって、花芽と葉芽が一緒になっているものと、葉だけがでる葉芽に分かれます。(たまに、花だけ咲いて一切葉のない時があります)
12月10日には、三日月が早朝に出迎えてくれました
ひとまず、ヒマラヤザクラの観察は一旦終了と致します
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