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ナシ赤星病の発生予察 膨潤度は90%超 [実験]

sml190412-064927_R.JPGナシの赤星病の観察
膨潤度は90%超えと判断しました
2019/04/10 久しぶりにしっかりした雨が降りました
予想通り、ビャクシン上の冬胞子堆は膨潤し大きな寒天状に変わりました
でも、翌日天気が回復して乾燥すると、乾燥寒天みたいに戻ってしまいます
初めのうちは冬胞子堆の原型をとどめていますが
何度か繰り返すと、スライムのようにべちゃっとしてきて、落下したり、乾燥したりして
ビャクシン樹上から消えてゆきます
千葉大学園芸学部様のHPに 赤星病の生態がとても分かりやすく図表にされています。
また、高校生の生物の教科書メーカー浜島書店様のHPには担子菌類の生活環が図説されています。
これらに照らし合わせて、現在の当地の状況を観察してみました
(写真にリンクが張ってありますので、参考にしてください)
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シャーレ上のオレンジの物体が寒天状になった冬胞子堆です。
次の写真に長細いハマキ型に写っているのが冬胞子。冬胞子からは発芽管が伸び始めているのが見えます
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3枚目の花粉のようなまるい物体が、担子だと思われます。4枚目は培養して丸一日経った状態です
冬胞子の中が空になって、全体が透明になっています。担子が全て出てしまったのでしょうか
専門家ではない私の判断ですので、間違っているかもしれません
ただ、ナシの赤星病対策の観点からは、よく注意をする時期に来ていると思います
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花粉の低温発芽性って 大事だなあ [実験]

190411自然環境下の発芽率「編集」.png

ナシの人工授粉が今年も終わろうとしています

今年も3月下旬に気温が高く、開花が早かったのに、寒の戻りがあり、4月2日~4日にかけては、ナシの花粉発芽最低温度の15度を割り込む日が続きました。


因伯の果樹2018年11月号に掲載された記事「ニホンナシの結実安定に関する研究」(鳥取大学 竹村圭弘先生)を思い出し、読み返してみました。


先生は冒頭で、温暖化に伴い、ナシの開花期が前進化している一方で、開花期に雨天や低温になることで、十分な人工授粉ができない場合があること危惧されていました。


実際に私の産地においても、雨が続いた平成29年、気温は高いが全ての品種が一斉に開花してしまった平成30年、寒気が三回も出入りした平成31年と安定した人工授粉ができない年が増えています。

そんな中、竹村先生が研究されておられる研究の一つが、低温発芽性の高い花粉樹の選抜です。

私の周りでは中国輸入花粉、松島、ヤマナシ、馬次郎、新興などの花粉を利用する方が多いですので、これらのうち、松島、ヤマナシ、中国輸入花粉について低温発芽性を調べてみました。



これらの花粉を同じ寒天培地に着床し、A開葯機(25度の定温)とB屋外の日陰に設置し、4試料、3品種の花粉の発芽性をしらべてみました


試験をしてみると、ビックリです。かなり差が出ることに驚きます。今回の試験では雪花梨(中国産)が定温低温に弱いことが伺えました。また、松島もヤマナシも比較的低温でも発芽しやすいことがわかりました。また、全般的に、低温のほうが、花粉管が細く伸びる傾向があるようです。
竹村先生は低温発芽性が優れた品種として「土佐梨」「今村夏」「奈良吉野古木」をあげておられます。なんとか入手して、確実な花粉交配に活かしたいものです。
北関東の梨産地ではまだまだ花粉交配が続くと聞いています。気温が高く安定した日が続きますことをお祈りいたします


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赤星病ゼリー状になってきて、油断ができません [実験]

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ナシ赤星病 貝塚イブキ上の冬胞子堆がゼリー状に・・・

貝塚イブキで越冬した、ナシ赤星病の冬胞子堆の膨潤がいつもより早いと感じていた矢先、降雨がありました。膨潤はすすんだかなと期待をしつつ観察したところ、一気にゼリー状になってきていました。


今回の降雨は、3月30日深夜から31日にかけて2時間程度つづきました。

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膨潤度は70%と判断しました

膨潤度が90を超えたらになったら10日以内には防除をした方がよいと神奈川県の防除情報にはあります。ナシ赤星病に困っている方は、スケジュールを組んでいただくと良いと思います。

尚、個人的な調査ですので、自己責任において参考にしていただけますようお願いします

昨年の観察を振返ってみると、今年の方が7日程度早くすすんでいる感じです

 

膨潤度は神奈川県 農業技術センターの防除情報の計算式で概算しました。


*******

*膨潤度は次により算出しています。膨潤度={(3A+2B+C)/(3×調査総数)}×100
冬胞子堆膨潤程度
 A:全体が寒天状またはそれに近い状態に膨潤している
 B:かなりふくらむが小生子を形成できる部分が少ない
 C:原型よりわずかにふくらむ
 D:原型の大きさのまま
*****神奈川県HPより引用******
■私の判断した基準
A:50 B:30 C:30 D:0
膨潤度=((3*50+2*30+1*30))÷(3*(50+30+30))*100=72.7
Aと判断したもの:ゼリー状になっているもの。写真の状態は初期のゼリー状態で、今後は乾くとしぼみ、ぬれるとゼリー状態になることを繰返し、殆どが落下すると、膨潤はなくなります。一ヶ月程度の期間続くこともあります
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Bと判断したもの:冬胞子堆の縦長がかなり伸びているもの
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Cと判断したもの
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Dと判断したもの
(写真は後日掲載)

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