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講演会「ホールフード」ってなあに? に行ってきました [講演会]

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くらしフェスタ東京 食と農のセミナーに参加してきました。都内の消費者団体27と東京都が協働し、消費者意識の向上をめざすものだそうです

この場に農業者として参加させていただいてきました

 はじめに


ホールフードとは食材を「まるごと」使うということです

講師のタカコ ナカムラさんは「食と健康と暮らしと環境」を同時に考える方法としてホールフードを提唱しています。

ベジブロス


ベジブロスとは野菜の出汁と訳します。講師はベジブロスの価値を29年に渡り提唱してきました。玉葱の皮やニンジンの皮など捨ててしまっていた部分には、がん抑制作用・抗酸化作用・免疫力を高める作用が豊富に含まれていることが近年わかってきました。また、加工方法により生食に比べ100倍の抗酸化作用となることがあるそうです。

ベジブロスを通じて、捨てる部分を減らし、環境負荷を低減し、暮らしを豊かにしてゆきましょうと強く提唱されました

農業を応援しましょう



最後に、私たちの体の礎となる素材を生産する農業者を応援しましょう。健全な土・水・空気が健全な食品を育みます。ぜひ食と暮らしと環境が同じフィールドにあることを、ベジブロスを通じて考えてくださいとしめました。

講演を聞いて


IMG_3171.jpg流石に料理学校の講師ということで、料理と栄養価のことを深く研究されている感を持ちました。ベジブロスは残り野菜のスープではなく、健康な体をつくる「魔法のスープ」であるように思えました。また、その効果を最大に引き出すコツなども伺うことができ、大変勉強になりました。植物の生長点にはフィトケミカルと呼ばれる成分が豊富で前項で書いた抗酸化作用などの物質が豊富にあることを聞き、ぶどうやナシなどの果樹でも上手に利用できないかと考えています。


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「薬剤抵抗性対策の新たな展開」 シンポジウムを覗いてきました [講演会]

 

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元旦に子供と映画にゆき、150円をケチり、一本のアクエリアスを回し飲みしました

1月2日 子供がインフルエンザを発症!翌日、久しぶりの悪寒に病院へ行くと私もインフルエンザ発症。それ以来10日まで自宅静養と、とんだ寝正月になりました

ハダニやコナガのように抵抗性を簡単に身に着けられれば良いのに・・・・ 世代が変わらないんだから無理ですね

日本植物防疫協会主催の「薬剤抵抗性対策の新たな展開」 というシンポジウムに行ってきました。会場には国や各県の農業指導機関・大学関係者・農薬メーカーの方々600名が集まり、とても盛況に開催されました

 農業を営んでいる方は、病害虫の薬剤抵抗性に苦労した経験をお持ちかと思います。

農作物に被害を及ぼす虫に対して農薬をかけます。農薬を被ばくした虫がすべて死滅するかというとそうでもありません。中にはその薬によってダメージを受けない個体が極めて低い確率でいます。このように抵抗性をもっている個体は次回同じ薬をかけても死にません。生き残った個体は子供をつくるかもしれません。これを繰り返すと、特定の薬に抵抗性をもった個体が増えます。いずれ、ほとんどの個体が特定の薬剤では死滅しない集団になります。これをムシが薬剤抵抗性を獲得したといいます。(厳密には殺虫剤の抵抗性獲得には5つ以上のパターンがあるといわれています 【日本植物防疫協会 農薬作用機構分類一覧による】)

こうなると、農薬は薬としての寿命が終わってしまいます。

 これを回避するために、農業者は菌や虫などのどの部分に作用する薬かを鑑み、できるだけ作用点の異なる農薬を順に使うように努力しています。農業者は自治体の指導機関の作成する「防除暦」に基づいて農薬を使用しています。この「防除暦」には指導機関が地域に適合するよう血のにじむ努力のもと作られています

 今回のシンポジウムはこれらの指導者が聞く講演会でした。正直なところ私にはさっぱり理解ができませんでした。 でも、だからこそ、客観的に見える部分もありました。

 

  1. IRACコード(あいらっくこーど) 、FRACコード(フラックコード)は薬剤抵抗性を回避するための殺虫剤(IRAC)、殺菌剤(FRAC)の作用機構の分類グループ。
  2. 薬剤抵抗性対策は減農薬と対峙する
  3. IRACコード、FRACコードが農薬ラベルに印刷されるのはまだまだ先
  4. IRACコード、FRACコードの活用方法は指導機関に普及していない
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農作物獣害防止対策支援事業 現地検討会に参加してきました [講演会]

 
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農作物獣害防止対策支援事業 現地検討会が開催されました
 近年、稲城市ではハクビシンやアライグマによる被害がブドウ・ナシ・野菜などで増加しています。東京都の西多摩地区では、イノシシやサルの被害も報告されています。これを受け、東京都は国立研究開発法人 農研機構 西日本農業研究センターの江口祐輔氏に依頼し、稲城市内にモデル園設け、継続的に対策を検討しています。今回は地域農業者として検討会に参加させて頂きました

 11月4日 稲城市内の2圃場において、地形や電気柵、ネットの設置方法の注意点を指導頂きました。その後、「中型野生動物の行動と被害対策」を講演いただきました。

 鳥獣害対策には、複合的な対策が必要であり、次のことが重要であると説明しました
  • ・住む場所をなくすこと
  • ・餌となるモノをなくすこと
  • ・個体数を増やさないようにすること

その上で、現在最善の方法は、電気柵の効果的な設置であると説明しました。野生動物が畑へ侵入する様子や、その癖を詳かい観察した成果は我々の気づかぬ事ばかりで大変貴重なお話を聞くことができました。
電気柵を効率的に利用するには、
  • 動物に悪い学習をさせない(シーズンオフには柵を撤去するか、通電した状態にし、怖くないものという悪い学習をさせない)
  • 設備の整備をおこたらない(地際の穴・ネット破損、たるみ・漏電による電圧低下を監視する)
  • 生態・圃場立地状況に応じた設計をする
近隣に高い樹や構造物がある場合は、飛込みを防止するため、距離をとる
対象動物の生態に合わせた位置や増設など行う
 
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稲城市内での被害は、丘陵に近い圃場が中心です。しかし、餌を求めて平地にも広がりつつあるなか、十分理解し対応してゆく必要があると強く感じました
 
江口氏より電気柵の設置方法を詳細に説明したサイトを紹介してくださいました。共同で研究されておられる埼玉県のホームページです。とても参考になります。
 


有機物の連用と土壌機能の向上 講演を聴いてきました [講演会]

「もっと知りたい環境保全型農業」~上手な土づくりを考えよう~ という東京都のフォーラムへ行ってきました。農工大の豊田剛己(とよだこうき)先生のお話がとてもおもしろかったのでご紹介します

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●私が感じた事

なぜ穀物が足りなくなってしまうのかを身近な問題ととらえました。そして、有機物と言っても過ぎたるは及ばざるがごとし、適正な量を施用して持続的な農地を作らねばならないと思いました 。

(以下は豊田先生の講演の要旨です)

「有機物の連用と土壌機能の向上」 

最近、肉が手軽になったと思いませんか?

街には色とりどりの野菜や果物が並び、食料危機など想像もできません。 しかし肉が手軽になったと言うことは、大量の穀物が飼料として使われていると言うことです。では穀物の供給量を増やせばいいのですが、それは土壌の養分を使うことになります。古代エジプトやメソポタミアが崩壊したのは、人口を賄う農作物を作る量が多くなり、やがて不毛の地と成り、砂漠化したことが原因とも言われています。勿論、10年20年で土壌養分が消滅することはありませんが、長い間には枯渇してゆく可能性があります

江戸時代の日本はとても上手に農業を行っていました。数百年にわたり、玄米収量が150kg/10aを維持してきました。養分の供給量を計算すると窒素6kg(雨と灌漑水で3kg 籾殻などの有機物で3kg)が毎年供給されており、これは150kgの玄米生産量の必要養分と一致します。

限られた農地の地力を低下させないためには、土づくりが必要になります。養分供給能(地力)を高めるには微生物を作ることが大切です。微生物はえさを入れることにより活性し、増殖します。微生物のえさである堆肥や緑肥の投入することが重要です。

有機物を連用した土壌は環境ストレスを受け続けても、微生物を温存したり、土壌消毒剤や環境ストレスにさらされた後の回復力が高まることが研究でわかっています。

又、東京農工大学における20年にわたる堆肥連用土壌においては、全炭素量・全窒素量・有効水分量が改善された上、一部の病害に対して、抑制能を期待できる傾向がみられました。

今後の環境保全型農業のあり方を踏まえたとき、「有機物の過信」は禁物である。堆肥連用は積極的に取り入れるべきだが、過剰な施用は「地下水の硝酸汚染」を招くことにもなる。土壌機能の向上、農薬使用量の削減を実現するためにも推奨使用量を守った施用を心がけてほしい。 


ウメ輪紋ウィルス(PPV)の研究動向を聞いてきました [講演会]

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知人に誘って頂き、樹木医実践技術講座を聴講させて貰いました。
青梅市ではPPVの対応に非常に苦労されていることを新聞などで聞いていました。
梨やりんごには「火傷病」というウィルスが 確認されており、昨年2015年6月には韓国にて感染の報告がされています。
もし、「火傷病」が国内に入った場合どのように対処したら良いのか。又、予防するにはどこまでの注意が必要かを勉強したく話を聞いてきました。
 
一回、入ってしまうととても撲滅が難しいことを知りました。
PPVは穂木、そしてアブラムシが中心となり感染を広げるとのことです
また、感染してしまった樹については、治療することができず、基本的には伐採をして感染源を減らす必要があるようです。
 
興味深かったのは、ウィルスが吸汁するアブラムシの体内で粘り気をつくり、感染しやすくしていること。宿主がなければ、増殖できないウィルスの狡猾さには大変驚きました。
 
また、今回ウメやモモ以外の「サクラ」や「草」などが中間宿主になる可能性を知り、ますます、水際の努力の必要性を感じました。一方で、鋏や果実などからは感染しない事を知りました。正しい知識を身につけ、生産者が危険な行為をしないようにすることが大切では無いでしょうか
 
講義の中で、国外から内緒で持ち込んだ穂木にウィルスがはいっており、重大事になったことがあったそうです。これは外国の話です。産地が狭い範囲で形成される日本の農業にとって、真剣に考えるべき問題です。 
 
 
 
 
 
 
 【以降は私のノートと農水省のHP引用をして作成しています。誤解を招く表現があるかもしれませんのでご了承ください】
 
ppvウメ輪紋ウィルスについて
         西尾健氏
                                                                  平成28年3月12日
果樹の世界二大ウィルスのひとつが「PPV(プラムポックスウィルス)」です
  カンキツトリステザウイルス (Citrus tristeza virus,CTV)
  プラム・ポックス・ウイルス(Plum pox virus、PPV)

PPVの
  歴史
      ブルガリアにて1915年に発見されて以来、100年をかけて世界中に拡散した。
       日本では2009年青梅市にて感染が初めて確認された。
  症状(ウメ)
      感染した実を人間が食べても健康上の影響は無い。
      葉に退色斑点や輪紋が生じる
      花弁にブレーキング症状(斑入り症状)を生じる
      ウメでは果実の顕著な症状は見られていない
      モモやスモモでは果実の表面に輪紋が現れ、商品価値の低下や早期落下が報告されている
      
      ※以上農水省HPより抜粋
      
    葉の部位・季節により濃度が異なる
      4月下旬に最もウィルス濃度が高くなる
      葉の部位により、濃度は異なる
      
  感染経路
    穂木(接ぎ木)
    感染苗(取り木、虫媒介)
    アブラムシによる媒介
      感染から発症までは3年間程度の潜伏期間がある。
      
    ※アブラムシのメカニズム
      ヘルパーコンポーネント~アブラムシが感染樹から吸汁した際、粘り気を作り出すようにしてある仕組み。これにより、感染をし易くするようにウィルスがコントロールしている。
      そのために、鋏や人工的な針などによる摂取では感染しないとされている。
      
    アブラムシの媒介元となる作物
      ●サクラ~オオヤマザクラ・ヤマザクラ・ソメイヨシノ
      ●草~ノボロギク(キク科 キオン属)・アレチボロギク
      ※草に関しては維管束による移動ができない。しかし、感染した草のウィルス濃度が高い部位を吸汁した場合、ウメやモモなどへ媒介することが懸念される
  診断方法
    イムノクロマト
    ic-rt-pcr
    Elaiza
    Lamp
  今後の課題
    兵庫県と大阪府と和歌山県の温度差
      紀州梅の産地和歌山県では、県外からのウメ樹の流入に細心の注意を払い、予防活動を続けている.。兵庫県においても、感染が確認された樹は全て伐採し感染拡大の阻止に努めている。
      一方、大阪府ではPPVの感染拡大防止策をあまり打ち出していない。隣接県毎に対応が異なってしまっては、努力が無駄になることも懸念される。
      
    アメリカではどうなったか
      カリフォルニアのプラムを守るため、近隣州のペンシルベニア州では、感染樹が確認されると、500M以内のウメ・モモを全て伐採して撲滅を果たした。
      
    各国の対応
      共存をめざす国々
      東欧諸国~抵抗性品種
      フランス~検査・伐採・健全苗木
      イギリス~検査・伐採・フリー苗木
      撲滅をめざす国々
      アメリカ・オランダ・スイス・カナダ・日本
      
    PPVの変異が怖い
      PPVには系統があり、現在日本で騒がれているのはPPVーDで感染力はあまり強くない。しかし、PPV-Mは非常に感染力が強く、今後このような系統に変異することも考えられる。

育種という楽しみを教えて頂きました [講演会]

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梨の育種というと手間・時間・お金がかかると思っていませんか?

私はそう思っていました。

今日、地域の先輩から梨の育種という楽しみについて話を伺うことができました。了見の小さい自分に愕然とし、一方で来年からは私もやってみようと闘志が沸いてきました。

興味のある方は一緒に初めて見ませんか?育種という楽しみを。先輩から教えてもらったやり方についてちょっと書いてみたいと思います。

 

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土づくり推進シンポジウム に行ってきた [講演会]

私の所感
  土地が狭くなるのであれば、有機 無農薬で付加価値をつけることもありだなと感じた。(オイシックス様 人参農家様の話しを聞いて) 

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土壌医の継続研修のひとつとして、土づくり推進シンポジウムに出かけてきました

4人のパネラーの話しが聞けました

有機・無添加野菜の通信販売をしている企業の商品本部の方の話では、台湾・上海・シンガポールでは、日本の美味しい野菜や果実の評価が非常に高いことを伺いました

又、人参・リンゴ・桃の生産現場の方からは、健全な土壌が食味のよい農作物をつくるということについて、独自の視点から発表されました。

個人的には、大型保冷庫の導入により、出荷時期をコントロールする生産者。そして保冷庫に入れることにより食味が向上し、より美味しい農作物を届けられるようになったという生産者の話は、果樹にも当てはまるのではないかと感じました。 

肝心要はこれっ


鳥取県 倉吉市 なしっこ館に行ってきました [講演会]

冬の仕事が忙しくなる前に、鳥取のなしっこ館に行ってきました。 梨の講義を聴かせて頂きました

 鳥取の皆様ありがとうございました 

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なしっこ館の中庭には、樹齢15年くらいの二十世紀が栽培されています 。(施設の開館が平成13年なのでこのくらいかなと思います・・・)

以前6月に訪れたときは、枝をフサフサとした葉が覆い、「カズラ枝」の夏の姿を見ることが出来ました。今は葉が全て落ち、秋に養分を蓄えた、ふっくらした花芽は、静かに春を待っているかのようです。

近くで花芽を見てみると、主幹からの距離・位置に応じて、きめ細やかな管理がされていることがわかります。地面に黒く盛り上がって見えるところは、深く堀り土壌改良をした後です。5~6年かけて気の周りを全部改良するとのことです。

地上部と地下部の丁寧な管理があってこその、見事な樹形なのですね。梨農家としてとても気が引き締まります。

私にとっては大切なパワースポットのひとつです。 

 

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相続税等の改正 について の講習会を受けてきました [講演会]

税理士の先生の講演を聴いてきました

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税務の事など知らない我々にも、解りやすい説明で仲間内でも大好評でした
とても勉強になったので、ちょいと備忘録

【平成27年1月1日以後の相続又は遺贈、贈与により財産を取得した場合、相続税・贈与税について新しい税制が適用されます】 

1.相続税の改正

 

  • 相続税の基礎控除額が改正されます 基礎控除  5000万→3000万
                                          +
                          1000万×法定相続人数→600万×法定相続人数         
  • 相続税税率構造が改正されます
                                        最高税率がアップ
  • 小規模宅地等の特例の改正~これは農家には朗報の場合が多い
  • 贈与税の税率構造の見直し
  • 相続時精算課税の適用要件が拡大

 2、譲渡所得税の改正(これが農家にとっては本丸とのことです)

  •  土地を所有する地主の方が亡くなった場合、相続人が相続税納付資金を調達するために、相続した土地を売却する場合があります。このようなケースに適用できる「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」(取得費加算)という制度が、改正により縮減されます
     改正前
       各相続人が取得した「全ての土地」に対応する相続税相当額を土地の取得費に加算できる
 
     改正後
       各相続人が相続した土地の内 「譲渡した土地」 に対応する相続税相当額のみを取得額に加算
 
     又、相続税納税猶予を受けている相続人においては
     改正前
        実際には納付していない納税猶予額も含めた金額を、取得費加算算定の基礎とする相続税額としていた。
       ↓
     改正後 
        納税猶予額を控除した申告期限までに納付すべき実際の相続税額が算定の基礎となる
 
このため、農地にかかる相続税納税猶予の特例を受けた方が土地などを売却した場合には、取得費に加算できる金額が大幅に縮減され、大きな影響を受ける。 これが本丸と言われた所以のようです。 
 
H先生本当にありがとうございました