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安西徹郎先生の土壌物理性の講習会  [講演会]

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土壌物理性の講習会が開かれました

「作物の根にとって居心地のいい土壌環境を作る」をキーワードにとても楽しく勉強させていただきました

講師は土壌診断では有名で何冊もの専門書を執筆されている安西徹郎先生です。今回は私の畑が現地講習会の会場となったため、ずっと同行させていただき勉強させていただきました

午前中は座学、午後は現地指導という二部構成で開催されました。

凄く良いです!

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座学の勉強会ってなかなか復習や追加学習ってしないですよね。それがセットになっている訳ですし、午前の基礎学習に基づき、ワンランク上のテクニックやノウハウを学べました。

 「作物の根にとって居心地のいい土壌環境を作る」それには土がやわらかく、水と空気があって且つ必要な養分が取れるところを作るためにまず診断。団粒構造ができているか、地下水位の影響を根が受けていないかなどの判断方法などはすぐに果樹園で実践できるような方法を指導いただけたことは我々の大きな財産になったと思います

 当園でも、造成地での早期落葉区や収量が上がらない畑などがあります。限られた農地の中、よりよい果実をたくさん収穫するために今日から改善をしてゆきたいと思います

 土壌医っていう資格があります。土壌診断にもとづき最善のつちづくりをする専門家の資格です。土壌医を目指して土壌改良をしてゆこう!と夢のようなことを考えた一日でした。

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試験研究成績発表会 果樹に行ってきました [講演会]

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神奈川県農業技術センターの成績発表会に行ってきました

今回の発表ではナシのジョイント栽培進化形の「JVトレリス」に関することが中心となりました。

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冒頭でニホンナシの栽培面積が最盛期に比べ激減しており、2025年には1/2に2030年には1/3になることが予想される中、原因には栽培管理にかかる時間が大きく関わっているとの指摘がされました。

 そこで、労働時間の50%省力化を目指したプロジェクトが進んでいると報告されました。

ナシは果樹の中でもぶどうについで手間がかかるようです。

今回の発表では、いくつかの省力化の手法が紹介されました。


1.ジョイント接木部分のバンド締め直しを省力化するためにビニールテープで接木をする方法

2.園芸用ゴムバンドを使い、支線と側枝を結束し、紐の食い込み防止としばり治しの省力化

3.jvトレリスに特化した作業台の試作

4.広い樹間を利用した、無人防除機の試作・実演

5.自動収穫ロボットの試作・収穫ビデオ放映


「自動収穫ロボット」なんて夢の夢かと思っていましたが、ロボット収穫に特化した栽培形式をヒトが少し手伝えば実現できるとのことでした。朝起きたら、ロボットが既に収穫を終えていて、すぐに選果作業に入れる夏を思い浮かべるとワクワクしませんか。但し、どうしても木の裏側など狭い場所ではロボットも作業しにくいため、着果部位を工夫することも研究課題とのことです。


定植から収穫までの期間が従来のジョイント栽培より短く、更に高さ3メートルまでを有効に使い、1.4倍の収穫量を安定して確保することをめざす「JVトレリス」は、更に進化しそうな気配でした。

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地球温暖化と東京の果樹・野菜生産を聞いて [講演会]



 先日、畑で開花準備のIMG_8359.JPG花芽整理をしていると、農業改良普及センターの先生から電話がありました。東京都農業試験場の成果発表会が今開催されているので、行ってきたらどうか?と言う連絡だった。

農研機構の杉浦俊彦先生による温暖化に向けた東京農業という特別講演も開催されるという。昨年、パッションフルーツを作り始めた私にとって、とても興味深い内容なので行ってみました。

 地球温暖化=暑くなる という私の幼稚な考えは打ち砕かれ、しっかりと気候の変動を受入れ、適正に対処しなければならないなと考え直しました。


 先生は概況→作物への影響あれこれ→実際の対応策 と言う順に説明されました。非常に説明が系統化されていて、分かりやすかったです。



 梨の温暖化対策について、水ストレスが説明されました。水ストレスは梨品種「あきづき」のコルク症や水なし症の原因のひとつと研究されています。

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水ストレスは土壌の乾燥と高温のどちらが許容値を超えても発生します。また、植物にとって、この二つの環境が重なり、ダメージを大きくすることもあります。植物は葉面の気孔を開け蒸散を行うことで、根から養分を吸い上げ、光合成を行い、葉の冷却を行います。晴天が続き、植物周辺の水分が少なくなると、樹体の水分保持のために気孔を閉じます。このような状態が長期にわたり続くと植物体の温度が上がってしまい、実の生理障害や、樹体の衰弱をおこすようです。(https://jspp.org/hiroba/essay/kinoshita.html 参照)


 梨農家として、展葉期から水分の管理を続けることの重要さを深く考えました。又実際の温暖化対策stage1のなかでは、ぶどう着色向上のための技術として環状剥皮処理。対策資材としてABA(アブシジン酸資材)の登録完了が間近であることも伺うことができました。栗の木の「株ゆるめ処理」など、はじめて聞く技術にも大変驚きました。いろいろな情報を集め、安定した果樹生産ができるよう心掛けたいと思います。

講演の概要を見る→


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ミヤコバンカーの使い方 早く覚えないと! [講演会]

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ハダニは梨の葉を吸汁し、ひどい場合は落葉させてしまう恐ろしい生き物です。彼らにも言い分はあるのでしょうが、できれば畑の中では会いたくない生き物です。こんな彼らを撃退してくれると期待されているのが「ミヤコカブリダニ」です。同じダニで有りながら、肉食でハダニをバリバリ食べてしまうスナイパーです。「ミヤコカブリダニ」を使った生物農薬であるミヤコバンカーの使い方の講演会がありました。とても興味深い話でした。




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「農薬防護用マスクの着用方法」 農薬管理指導士更新研修 [講演会]


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  東京都農薬管理指導士の更新研修の際、「農薬防護用マスクの着用方法」というテーマでスリーエムジャパン(株)宮下清司先生の講演がありました。

   今まで、農薬散布の際、無造作に装着していた農薬用マスクですが、きちんと装着しないと性能を発揮できないことを勉強しました。


講演中にマスクフィッティングテスター MT-03(柴田科学株式会社製)による”漏れ”のテストを見せていただきました。(写真は柴田科学株式会社HPより引用)

080200-06_2.jpgパソコンにはリアルタイムの漏れ率が映し出されます。鼻部の金具(ノーズグリップ)を調整する前と後、話をしているときと黙っているときでは遮蔽度が数パーセント変化するのには驚きました。夏に向け、正しい装着方法を覚え、安全に防除作業ができるようにしたいものです。作業中のおしゃべりもあまりよくないようですね。

  

 

正しいつけ方はこちら


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農薬管理指導士 3年に一度の更新研修 [講演会]

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今日は約200人が集まる、東京都農薬管理指導士の更新研修に行ってきました

これは、東京都で農薬を扱う人たちの資質向上のために養成している事業です。私のような農家は少なく、造園業や建設業、農薬販売者が多いように見えます。

 農薬管理指導士は農家にとって何か得するということはないのですが、3年に一度更新研修を受けます。この研修が、都や国の農薬に対する今の姿勢を知る事ができてなかなかいいのです。


 今回、講習会で強調していたのは次の点でした

1.農薬取締法の改正【農薬の再評価制度と登録審査の見直し】

2.ミツバチとネオニコチノイド

3.住宅地通知の徹底



詳しくはこちらへ


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ミヤコバンカー(ミヤコカブリダニ)の説明会 [講演会]

梨にはハダニという重大害虫がいます(写真1)

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従来農薬で対処してきたのですが、抵抗性の獲得や都市化による薬剤散布のしにくさなどから駆除が難しくなってきています

そこに近年研究が進んでいるのが天敵資材です


ミヤコバンカーはハダニの天敵であるミヤコカブリダニを利用した資材です。発売から1年以上を経過しました。仲間たちの間でも良い評価をされているミヤコバンカーの説明会を聞いてきました


ミヤコカブリダニは果樹害虫である植物ハダニを捕食する天敵資材として注目されています

ミヤコカブリダニは温室など環境が制御できる施設栽培においては、技術的に確立されていましたが、露地栽培ではその確立が遅れていました。

最初はミヤコカブリダニをフリカケのように植物に放飼することから始まり、進化したミヤコバンカー(写真2)では餌や

IMG_7061.JPG保湿剤がセットになりました。安定的に天敵が供給されハダニを捕食するように工夫されています

梨の木の地上1メートルくらいのところに、吊るしてゆけばいいわけで、設置もとても簡単です。


しかし、天敵資材の難しさは、生き物であるがゆえに、環境に左右され意図していない行動をしてしまうことです

この資材を成功させるには、設置するだけではなく、いくつかのポイントを押さえることが重要なようです

今回、ミヤコバンカーの製造元 石原産業の説明を聞き、重要と感じた点をまとめてみました


■ミヤコバンカー設置・設置後の注意

 ① 湿度は好きだが水が大苦手(パック製剤が濡れると天敵は死滅します)。水害の発生しない場所へ設置

 ② 活動しやすい環境下で放飼する→17度前後の気温が最も定着が良い。またこの温度は定着数を増やすこともわかっている 例) 日陰、北側、

 ③ 活動しやすい湿度80%以上を昼夜キープするため、吸水ポリマーを封入する


■総合的な防除を鑑みたときの注意


1.設置時期(天敵影響の大きい薬剤散布から十分時間を経ているか。また、設置前にダニ剤によるクリーン作戦を実施したか)

2.ダニ剤のスケジュール防除(ハダニが増えた時ではなく「増加盛期」には天敵保護できるダニ剤を必ず散布する)

3.フェロモン剤と殺虫剤の施用時期を組み合わせたシンクイムシ類対策

4.サビダニ対策 適期の Mフロアブル利用

5.カイガラムシ対策 適期の Tフロアブル利用


以前より減農薬防除のための防除暦はありましたが、天敵資材を活用するには、専用の防除暦が必要で、その確立もすぐそこまで来ているように感じました

説明会では、これらの理由となる数値やグラフなども提示され、とてもいい勉強ができました。

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梨ジョイント栽培 研修会 [講演会]

梨ジョイント栽培の研修会に参加してきました

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梨ジョイント栽培は御存知の通り、神奈川県の農業技術センターが開発した技術です。そのお膝元である川崎市内の導入農家を視察させていただきました。

関係者の方々にお礼申し上げます。

 今回視察させていただいたのは、一般的なジョイント栽培(右)と近年開発されてたJVトレリス((左)v字・垣根状のジョイント栽培と農技センターで説明されています)です。

 ジョイント栽培においては、専用苗の確保と接木作業が大変だとよく聞きます。今回は実際の接木について、方法や道具を説明していただきました。慣れれば一箇所数分でできるようになると伺い、導入へのハードルが低くなった気がしました。

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 向き不向きの品種があるそうで、栽培計画に大変意義のある話を聞くことができました。

今回 二種類のジョイント栽培を見学させてもらい、花芽の長期間維持をどのように工夫するかが大切だと感じました。また、JVトレリスについては結果する枝が長くなりますので、枝の更新に時間がかかることと主幹基部の枝が強大化し易い感じがしました。しかし、JVトレリスは防除作業の自動化や更なる作業の軽労化を目指した技術です。工夫をしながら確立できると未来の農業に大きく前進できるのではないでしょうか。とても楽しみです





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特定生産緑地 生産緑地法の改正を勉強してきました [講演会]

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1.生産緑地法が変わる


平成4年に生産緑地法が制定されました。生産緑地として指定されると、長期間営農を条件に固定資産税を安くしてもらえる制度です

約束の期間である30年完了年(2022年)を目前に特定生産緑地という制度ができます。農家に関係する部分を、農家として説明いたします。
 

2.農家が気をつけること

 生産緑地は所有者が死亡した時又は農業を続けることが困難な状態になった時と指定を受けてから30年経ったときに、自治体に買い取りの申し出をすることができます。申し出を受けた自治体は自身で購入するか、斡旋先を探し、見つからない場合は、指定の取り消しとなり、転用することができます。
 平成34年には第一期に指定を受けた生産緑地にその条件が当てはまるようになります。その後の法律整備が最近できたのです。
 農家が気をつけることは2つあります。誘惑将来設計です
誘惑は「今が農地転用のチャンスですよ 今を逃すと転用ができなくなりますよ」などと言いよってくる人々に注意すること。
将来設計はこの先どのくらい農業を続けてゆくのか、そして農地として相続をし、相続税の特例を利用する予定なのかどうかを家族で話しておくこと。この先健康であれば10年は農業を続けたいなという「10年毎」の設計でもいいです。

3.農家が得すること

 買い取り申し出をしなければ、転用することが許されないのですから、守られているともいえます。営農と期間を条件として、固定資産税が安くなることが一番のメリットの生産緑地制度。今回の改正で農家が得をすることはなんでしょうか。
30年を過ぎて、生産緑地を継続する申請をした土地は特定生産緑地という名称で区別されます。
特定生産緑地」ではつぎのようなことが得するようになります。
1,今まで500平方メートル以上の一団となった農地しか指定を受けられなかったのですが、300平方メートルに緩和され、一定の条件はあるものの、一団でなくとも追加指定ができるようになる。(自治体により異なることがあります)。道連れ解除の不安が軽減される。
2,特定生産緑地にすれば、相続税の特例(相続税納税猶予制度)が引き続き受けられる
3,一定の条件がつきますが、農地の貸借についても可能になる

4.とりあえず言えること

特定生産緑地」の申請をしておくことです。
今農業をしていて、指定から30年経ったのでしたら、この方法しか選択肢はないと思います。それは、特定生産緑地でなければ相続税納税猶予制度が受けられないことと「生産緑地」特定生産緑地一度、途切れてしまうと余程のことがない限り、再指定されることができないからです。
されど予期しない、大きな怪我などで農作業が少ししか出来なくなってしまった際には、「部分的」に買い取り申し出ができますので、万が一のときはそのように対応すればよいのです。
非常に簡単に、農家の立場から説明をしましたが、自治体により、生産緑地 特定生産緑地制度に関して、肯定的・否定的があると聞いています。判断の際には、自治体・農業委員会に確認をお願い致します。

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GAP 農業工程管理の講演会に行ってきた [講演会]

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東京都の主催で、GAPの講演会に行ってきました。本日は講師がGAPの審査官ということで、とても深い話が聞けました。


東京オリンピックを前に、GAP認証された農産物でないと、選手村で使ってもらえないとか言われていますよね?確かにその動きはあるのかもしれませんが、もっと身近なものだということを知りました。


私達農家が直接卸している、スーパーがある日突然海外資本の傘下に入ったとしたら、出荷基準がどうなるでしょうか? 親会社の出荷基準になり、それを満たしていない場合は取引が停止してしまうことが想定されるそうです。国際的なGAPが標準化されるかもしれないのです。


また、日本国内の外食店にむけてもHASSP(ハサップ)義務化に向けた動きが厚労省であり、段階的ではあるが、材料にも基準が設けられることが想定されるそうです

国は東京オリンピックを良い機会と捉え、世界に通用する農業の進化を目指しているようです。


世界標準やらHACCPやら難しい感じを受けますが、生産者・雇用者・消費者・関係者みんなのために基準を設けましょうよ というのが「GAP」と理解しました

農業という産業は家族経営が多く、今まで品質管理や安全管理 衛生管理について蓄積をしていないことが多かったと思います。そこで、いろんな角度から精査しその基準を作ったものとして捉え、私達は利用してゆけばいいのかなと思っています。


「GAP」の問題は審査料と更新料です。GAPにより5万から30万のお金がかかることは、規模のちいさい農家では、興味があっても導入はできないのが現状ではないでしょうか。


講師のお話です。審査員となったのには、生産者の安全管理を早急にしないと、日本の農業がだめになってしまうと感じたことがきっかけだったそうです。建設・土木業がこの40年で死亡事故者の数が激減したにもかかわらず、農家の死亡事故は機械化とともに微増しているそうです。

私も、此の状態を無視してはいけないと思っています。作業の際にはヘルメットを被って作業しているか とか選果作業の際に、帽子をかぶり、衛生面に配慮しているかとか200項目程度あるようです。自然に行っている項目もかなりあるものです。「GAP」審査項目に一度目を通すのも大事かもしれませんね。

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